2025年度の日商簿記検定試験の受験者数を集計し、過去の受験者数と比較してみました。

2025年度の受験者数は、1級20,134人、2級158,825人(ネット試験を含む)、3級329,200人で、のべ508,159人が受験しました。この受験者数を見る限り、いわゆる「会計離れ」は完全に解消されたと言っても良いでしょう。
一方で、気になる点は、相変わらず1級の受験者は、増加傾向にはあるものの回復したとは言い難い状況です。会計基準の高度化により、ますます1級合格者の市場価値は増加していると考えますが、以前の水準には戻っていません。
また、上記の表には記載していませんが、ネット試験と対面試験の合格率の差も気になります。2025年度の場合、3級はネット試験40.8%、対面試験37.0%、2級はネット試験32.9%、対面試験20.3%です。受験者の間では、ネット試験の方が合格が容易であるいう認識が定着しています。
ネット試験導入前の2010年度から2019年度の10年間の平均合格率を見てみると、3級42.2%、2級27.2%、1級10.4%です。2025年度は、ネット試験を含んで3級40.1%、2級31.4%、1級14.6%です。3級はやや低下、2級、1級は上昇しています。昨今、1級の合格率が上昇傾向にあり、受験者を増やすため、難易度を下げている可能性も否定できません。
簿記初級、原価計算初級は、中途半端な試験になっています。2025年度の簿記初級受験者は3,978名、原価計算初級受験者は1,424名に止まっています。就職活動においても、初級合格は価値があるとは言えませんので、位置付けの見直しが必要かもしれません。
日商簿記検定試験は、商工会議所の努力により、受験者が増加したことは喜ばしいことです。会計は「経営のルール」であり、AI時代において、会計の日常業務(会計の仕事)は効率化されていきますが、会計がなくなるわけではありません。ぜひ多くの人に会計を学修して欲しいと思います。
日本商工会議所 簿記検定試験 受験者データ
この記事は、川野克典のホームページから転用しました。
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