2026年7月22日付の日本経済新聞朝刊1面は、財務会計基準機構(FASF)が企業のM&A(合併・買収)で生じるのれんの定期償却について、現行の実施基準を維持する方針を固めたと報じました。
これまで専門家の間でも議論が続き、雑誌『企業会計』2025年11月号で特集が組まれるなど大きな注目を集めてきましたが、結果として国際会計基準(IFRS)とは異なるのれんの定期償却を継続することとなります。
このブログ著者(川野克典)は財務会計を専門とする会計学者ではないため、理論的な深掘りは避けますが、筆者個人としては、保守主義の観点から現行の会計処理を支持していました。それ以上に実務面においては、処理変更に伴う経理・財務部門の業務負荷増加を強く懸念していたところです。すでに新リース会計基準やサステナビリティ開示への対応だけでも、現場の負担は極めて大きいのが現状です。これ以上の負担増加が回避された点は、実務上大きな意味があると考えています(あくまで個人的な見解です)。
もしM&Aを積極的に推進したい企業であれば、国際会計基準(IFRS)を選択・採用すればよいため、経営者にとっては、のれんを償却するか、非償却とするかの選択肢が残されているとも言えます。一方で、今回の決定によって財務諸表の国際比較が難しくなるという指摘も当然理解できます。しかし、経理・財務部門の人材が相対的に限られている中堅以下の上場企業などの声がしっかりと届いた結果として、今回の判断を評価したいと考えています。
Shohri Strategy & Consulting TOFF 