東京証券取引所が、2026年3月期の決算短信開示までの平均所要日数を公表しています。2026年3月期の決算短信開示までの平均所要日数は41.3日で、2025年3月期より0.6日遅延化しています。30日以内に発表した企業は、226社で、全体の10.5%で、前年から0.4%低下しています。
全体として、決算遅延化が進む中、注目すべき企業がありました。既に本コラムでも取り上げていますが、総合商社です。総合商社は、様々事業を抱え、また連結子会社数、持分法適用子会社数も多いため、連結決算の難易度の高い企業です。この総合商社の三菱商事、住友商事、三井物産、伊藤忠、丸紅がいずれも2026年5月1日に決算短信を開示しています。「望ましい」とされる30日以内発表には至っていないものの、1日遅れで開示したことは特筆すべき点です。総合商社で31日発表が実現できているということは、他の会社でも「やる気」さえあれば、実現できるのではないでしょうか。

もう1企業を取り上げたいと思います。銀行業の決算短信の開示は、5月12日〜5月15日に行われ、業界全体に「横並び意識」の残存し、決算が遅い業界と言えます。自己査定・貸倒引当金算定の多段階かつ膨大な作業、銀行法に基づく特殊な開示要件、監査法人による精緻な監査対応等、決算を遅延させる阻害要因の多い業界でもあります。そんな中、2026年3月期は6日間遅くなりましたが、東京きらぼしフィナンシャルグループは2025年3月期に5月1日に決算短信を発表し、そして、2026年3月期にはSBI新生銀行が5月1日に決算短信を発表しています。この事例も「やればできる」ことを示しているのではないでしょうか。

決算の早期化は、単に利害関係者への情報を迅速化するものではありません。決算早期化により、経営者に対して、早く情報を提供し、意思決定を迅速化する、PDCAサイクルを高速化して、経営管理を高度化する取り組みであるのです。
Shohri Strategy & Consulting TOFF 