IPAがデジタルスキル標準ver.2.0を公開

 経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、個人の学習及び企業の人材確保・育成の指針として「デジタルスキル標準(DSS:(Digital Skill Standard))」を策定、発表しています。AX(AI Transformation)の進展やそれに伴うデータ活用の重要性などにより、データマネジメントに関する改訂などを行い、2026年4月16日にデジタルスキル標準バージョン2.0(DSSver.2.0)を公表しました。

詳細は、下記のIPAのホームページを参照してください。
プレス発表 デジタルスキル標準ver.2.0を公開

ITスキル標準(ITSS)とDSS Ver2.0の違いは以下の通りです。
ITSS: 主に「ITエンジニア」を対象とした、専門技術の深化に重点を置いた。
DSS: 非IT職を含む全ビジネスパーソンを対象とし、ITそのものだけでなく、ビジネス変革(DX)をどう進めるかに焦点を当てた最新の指標。

DSSは、大きく分けて以下の2つの標準で構成されています。
DX推進スキル標準(DSS-P)
対象: DXを推進する専門的な役割を担う人材
目的: 企業がDX戦略を実行するために必要な、各専門ロール(役割)のスキルを定義する。
内容: 「ビジネスアーキテクト」、「デザイナー」、「データサイエンティスト」、「ソフトウェアエンジニア」、「サイバーセキュリティ」といった主な役割ごとに、習得すべきスキルを定義しています。
DXリテラシー標準(DSS-L)
対象: すべてのビジネスパーソン(経営者を含む)
目的: 働き手一人ひとりがDXを「自分事」として捉え、変革への理解と関心を持つための素養を身につける。
内容: なぜDXが必要か(Why)、何を理解すべきか(What/How)、どのような姿勢で取り組むべきか(マインド・スタンス)を体系化しています。

Ver2.0改訂の要点
1.「データマネジメント類型」の新設

今回の最大の目玉は、DX推進スキル標準(DSS-P)に6つ目の役割として「データマネジメント類型」が追加されたことです。
AIを真に活用するためには、その「質」を左右するデータの整備が欠かせません。この類型では、新たに以下の3つのロール(役割)が定義されました。
データスチュワード: データの安全性や信頼性、利用ルールを管理する。
データエンジニア: データを活用するための仕組みや基盤を構築する。
データアーキテクト: 全社的なデータ構造や流通の仕組みを設計する。
2.ビジネス変革・デザイン領域の再定義
単なるデジタル化(Digitization)にとどまらない「ビジネスそのものの変革」を加速させるため、以下の項目が刷新されました。
ビジネスアーキテクト/デザイナー: ロールと必要スキルを、より「ビジネス変革」に直結する形に再定義。
デザインマネジメント: 組織全体でデザインの力を活用し、価値創出を行うためのスキルが追加されました。
3.AI・データスキルの全般的なアップデート
AI実装・運用スキルの新設: 生成AIを含む最新のAI技術を、どうビジネスに実装し、運用し続けるかのスキルが具体化されました。
重要度の見直し: 各ロールにおけるスキルの優先順位が、最新の市場動向に合わせて見直されました。
4.学習・可視化の仕組みとの連携
IPAは、この新基準に紐付いた学習コンテンツをポータルサイト「マナビDX」で提供するほか、個人のスキル情報を蓄積・可視化する「デジタル人材スキルプラットフォーム」の構築も進めています。

 デジタル技術が急速に進化する現代において、DSSは企業が自社の人材育成ロードマップを作成したり、個人が自身のスキルアップを目指したりする際の「共通言語」となります。最新のver.2.0では生成AIの普及なども考慮されており、これからのビジネスに不可欠な知識が網羅されています。