2026年4月3日に金融庁・東京証券取引所から、コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表されました。改訂案はパブリックコメント(意見公募)を経て、夏までに正式決定される見通しです。
改訂の背景
これまでのガバナンス改革について、形式対応・形骸化への指摘がありました。そのため、単なる「守り」ではなく、中長期の企業価値向上や稼ぐ力の強化につながるガバナンスへ軸足を移す狙いがあります。
変更の概要
・コード本文は、抽象的・原則的な内容に絞り、その代わり、具体的な考え方や実務上の示唆を示す「解釈指針」が新設された。
・取締役会の役割として、中長期的な企業価値の向上に向けて、成長投資(設備投資、研究開発、人的資本、知的財産、事業ポートフォリオ見直し等)の重要性が明確化された。
・有価証券報告書を株主総会前に提出することが、株主の適切な議決権行使環境の整備として位置付けられました。理想的には、総会の3週間以上前の開示が示されています。
・改訂内容を反映したコーポレートガバナンス報告書の提出が、遅くとも2027年7月までに求められます。
企業に求められる対応
・自社の成長戦略を明確にすること。
・その戦略に沿って、資金・人材・事業の配分が適切かを取締役会で継続的に検証すること。
・「コンプライ・オア・エクスプレイン」でも、形式的ではなく、なぜそうするのかを実質的に説明すること。
注)「コンプライ・オア・エクスプレイン」とは、コーポレートガバナンス・コードにおいて、上場企業が原則を「遵守(コンプライ)」するか、できない場合はその「理由を説明(エクスプレイン)」する義務を負う仕組みのこと。
一言でいうと、「守っているか」中心のコーポレートガバナンス・コードから、「企業価値向上のために何を考え、どう資源配分しているか」を問うコーポレートガバナンス・コードへ改める改訂です。
「コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議」(令和7年度第3回)議事次第
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