経理・財務部門は、ICTやAIの発展により、組織としての能力(コンピテンシー)を変えていく必要があります。
米国のInstitute of Management Accountants(IMA)は、IMA Management Accounting Competency Frameworkとして、職業倫理と価値、リーダーシップ、戦略・計画策定と業績管理、報告と統制、事業洞察力と業務理解、テクノロジーと分析、の6つのドメインに分けて、管理会計担当者のコンピテンシーを定義しています。
同じく米国のChartered Global Management Accountants(CGMA)のGlobal Management Accounting Principle (GMAP)は、CGMA Competency Framework 2019 editionで、管理会計担当者のスキルとして、テクニカルスキル、ビジネススキル、リーダーシップスキル、人的スキル、デジタル(ICT)スキルを挙げ、それらを倫理・誠実さ、プロフェッショナリズムが支えるとしています。
筆者は、インターネットを使って、監査法人、コンサルティング会社の経理・財務部門の変革、人財教育に関する報告書や提案をチェックしてみましたが、各社に共通していたのは、「集計屋」、「計算屋」からの脱却であり、デジタル技術の活用、データ分析、経営者のビジネスパートナー、意思決定への参画者、コンプライアンス、FP&A(Financial Planning & Analysis )というキーワードでした。しかし、これは決して新しい提案ではありません。
著者らは、当時、所属していたアーサーアンダーセン ビジネスコンサルティング名で『戦略経理マネジメント』を1999年に著していますが、この本で、著者らは、経理・財務部門が事務処理に72%の時間を費していることを明らかにしたうえで、その事務処理を削減し、経理・財務部門が、経営戦略立案に参画し、経営者の頼もしきビジネスパートナーとして、「戦略経理」への組織及び人財を変革することを提唱しています。
25年以上が経過して、同じような提案がなされ続けられていることには驚きですが、これは社会の変化以上に経理部門が変革を進めることができていないことを示しているのではないでしょうか。
著者は、経理・財務部門の人財に要求される能力、知識等の変化を4つの視点から提案しています。経理部門の人財に要求される能力、知識等には、高い専門性のみならず、多様性、協調性、そして俯瞰(ふかん)性、プロジェクトマネジメント力等が必要になっているのではないでしょうか。
参考文献
川野克典(2023)『管理会計・原価計算の変革: 競争力を強化する経理・財務部門の役割』中央経済社。
経理・財務部門のコンピテンシーの変化
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Shohri Strategy & Consulting TOFF 
